今日から事務所に研修生が来ております。
司法書士会では、毎年、司法書士試験に合格した新人を対象に、指導員の事務所にて、配属研修という実務を経験するための研修が行われており、私どもの事務所でも毎年新人の受け入れを行っております。
自分が受験生の頃は、ちょうどバブルが崩壊し、司法書士事務所の求人がなく、働きたくても働けない状況で、タウンページ片手に上から順番に司法書士事務所に電話し、実務を教えてもらえる事務所を探した苦い経験があります・・・・。
ちなみにこの研修は、前期と後期の2回に分かれており、それぞれ2週間別々の研修生を受け入れて指導する一方、研修生は前期と後期で異なる指導員のもと、研修を受けることになります。
私の事務所では、とにかく実務をたくさん経験し、実務の感覚を身につけてもらうことが実務習得の早道になるという信念のもと、初日から実際の案件を多く経験してもらっています。
運転免許証を取得し、車の運転に関する本を毎日熟読しても運転は上手くはなりません。実際に運転しなければ、いつまでたっても運転が上達しないのと同じです。
おっかなびっくり運転をする過程で、車を擦ったり、ぶつけたりすることもあると思いますが、それでも自分で実際に運転してみなければ、どこに注意していいのかがわかりません。
もちろん、事故を起さないために指導員がそばで見ていることは大事ですが、危険だからとか、まだ運転が早いからといって運転をさせなければ、たとえ免許が取れたとしてもペーパードライバーになりかねません。
ちなみに、案件を担当してもらうときは、研修生の能力の120%くらいの負荷がかかるようにと考えて仕事を振っています。というのも、筋トレを行う際、常に80%の力でトレーニングしても筋肉が発達することはありません。
100%以上の負荷をかけることで、細胞が壊れたり成長したりを繰り返した結果、しっかりとした筋肉がついてくることが実務にも当てはまるからです。ですから、本人の実力をはかりながら、それ以上の案件を負担してもらい、悩んだり解決したりを繰り返しながら、司法書士としての実務力を鍛えてもらうようにしています。
一番最初に実務を学ぶべき大事な期間だからこそ、あえてそのような厳しい姿勢で研修生に接っすることにしています。今年の新人研修生も、その点を理解して多くのことを学んでもらいたいと思っております。