私たちは毎日のように、登記事項を確認調査するために、インターネットで不動産情報を取得しています。
昔は、管轄法務局まで出向いて証明書を取得しなければならず一日に何カ所も法務局を駆けずり回ったものですが、記録がデータ化され、最寄りの法務局で全国各地の証明書を取得することが出来るようになりましたし、今では事務所のパソコンから、インターネットで不動産情報に関するデータを取得することが出来るようになり、非常に便利になっています。
インターネットで不動産情報を取得する場合、2つの取得方法があります。
まず一つ目は全部事項の不動産情報です。
【登記提供情報サービスの見本より引用】
上記のとおり、所有権や所有権以外の権利など、登記されているすべての情報を取得して確認することができます。
二つ目は、所有者事項の不動産情報で、下記のとおり所有者の住所・持分・氏名のみが記載されているシンプルなものです。
私たちは登記情報の記録をつうじて、権利関係に問題ないかを把握する必要があるため、この所有者事項の不動産情報を取得することはほとんどありません。
ちなみに、全部事項の不動産情報は1物件335円、所有者事項の不動産情報は1物件145円と、そんなに値段にも差がありませんので、そういった意味からもあえて所有者事項の不動産情報を取得する必然性がありませんが、不動産会社の方などが隣地の所有者調査で多くの不動産情報を取得する必要がある場合などに所有者事項が活用されているようです。
ということで、ほとんど私たちが活用しない所有者事項ですが、数年ぶりに取得しました。
なぜ、取得したかといいますと・・・・・
全部事項で取得した不動産情報の物件の所有者が数百人の共有となっており、所有者が登記されている甲区の欄だけでも900近い登記記録がされていて、分厚い情報となって印刷されてきたからです。
その登記記録の中から、私どもが必要としている所有者の方の所有権の変遷の記録を探し出すには相当の時間がかかりますし、見落としなどもあるかもしれません。
ところが、所有者事項は現在の所有者の住所・持分・氏名だけしか情報が出ませんので、全部事項のように過去に所有権を持っていた方の情報は記録されないため、現在の共有状態が一目瞭然です。
実際、50頁以上にわたって記録されている全部事項に比べ、所有者事項はたったの5頁でしたので、145円の追加コストとなりましたが、すぐに必要としている情報にアクセスすることができました。
ということで、共有者が多い物件などで現在の所有者を調べたい場合は、所有者事項も便利だな・・と改めて感じました。