「リーガル(legal)」と「テクノロジー(technology)」を組み合わせた造語であるリーガルテックが、実用的になりつつあるようです。
今日の日経新聞の法務面に、契約書の誤りをAIで自動発見することのできるソフトウェアの提供に関する記事が出ておりました。
サービスを提供したのが、株式会社LegalForce で代表取締役は弁護士である角田望さんです。ちなみに、日本最大級の法律相談ポータルサイトを提供している弁護士ドットコム株式会社を立ち上げたのも弁護士である元榮太一郎さんです。
今までは、業者の方が開発したサービスを専門家が利用するということが多かったのですが、最近では、「こういうサービスがあったらいいな!」とか「こういうことができるといいな!」ということをカタチにするために、新たな技術を活用してサービス提供を行う専門家の方が増えているような気がします。
ちなみにこのAIを活用したソフトは、主に形式面でのミスを自動発見してくれるようです。私たちの事務所では、議事録や契約書などの書類を作成する際、まずは形式面を確認し、問題がなければ内容面を確認するという2段階の確認をしています。
細かい条文の表現などに気をとられていて、契約書全体を俯瞰しての確認を怠ってしまうと、形式面を見落とすなどの初歩的なミスをやってしまいがちです。
例えば、第20条の条文の表現について詳細に検討した結果、第20条を削除することとなった場合、その条文以降は1条ずつずれていくことになりますし、後の条文で第20条を引用している場合には、その条文の表現も変えていかなければならなくなります。
その条文の修正のみにフォーカスしている場合、全体の条文との整合性を見落とすことが生じることになります。
そのような形式面の整合性を自動で精査してくれるとのことですので、法律事務所において、多岐にわたる条文で構成されている複雑な契約書を作成する場合には、活躍する場面が多くありそうです。
記事には、契約書の精査時間が半分から3分の1程度に短縮できるとのことですから、その浮いた時間で内容面を確認する時間に充てることができるようになるので、専門家にとっても依頼者にとっても有益です。
専門職にもAIが少しづつ活用されてきていますし、専門家自体がそのサービスを提供することで、専門家のニーズを上手く取り込んだサービスが今後もいろいろと出てきそうな気がします!