今回の衆議院選挙、与党の勝利で終わりましたね。個人的には、小池さんが率いる希望の党の「勢い」の変化については、大変勉強になりました。
小池さんは、孫子を小学生時代から愛読していて、選挙の戦略についても孫子の兵法を参考にしておられます。
孫子の教えでは、戦わずして勝つというのが最善だといわれております。小池さんが自分が党首として希望の党を立ち上げたことで、民進党を解党に追い込み、希望の党に合流というシナリオは、まさに戦わずして勝つための戦略が功を奏したのではないかと思います。
その当時は確かに、自民党が大敗するかもしれないという雰囲気がありました。しかし、例の「排除」発言で形勢が一気に逆転し、昨日の結果に結びついたような気がします。
本人も驕りがあったと反省されているようですが、驕れるもの久しからずという名言が語り継がれていたり、歴史が繰り返しているように、古典をずっと読んでいる小池さんでも勝ち続けると勝者の罠に陥るんだなあと・・今後の戒めとなりました。
一方の安倍さんは、選挙結果を受けての会見でも「謙虚に向き合う」という言葉を何度か意図的に使っているのを見て、その点を意識されているのかあと感じました。
武田信玄の名言で、「およそ戦というものは、五分をもって上とし、七分を中とし、十分をもって下とす。五分は励みを生じ、七分は怠りが生じ、十分は驕りを生ず。」というものがあります。
五分勝つのは良くて、七分勝つのはまあまあ、完全に勝つのはダメである。なぜなら、五分の勝ちであれば今後もがんばろうという気持ちになり、七分の勝ちはどこか手抜きが生じる恐れがあり、完全な勝ちは相手を侮って驕りが出てくるという意味です。
何事も調子がいいときには、慢心になりがちです。今回の形勢逆転を目の当たりにして、人事とは思えないと感じた選挙結果でした。