昨日の情熱大陸で独立時計師の「菊野昌宏」さんが取り上げられておりました。
独立時計師という職業があることは私もテレビで初めて知ったのですが、世界で31名しか認定されておらず、菊野さんが日本人で初めて30歳の若さで認められたとのことです。
工業製品のように同じものを大量生産するのではなく、この独立時計師がつくる機械式の時計は、デザインにはじまり、部品に使う極小のネジの1本にいたるまでのすべてのパーツを金属の塊からすべて自分で削りだし、組み立てまでをすべて一人で行うという究極のオーダーメイドの時計です。
よって、時計が1本が完成までに要する期間は半年以上かかるため、1年に2本程度の時計しか創り出すことができません。そんな過程を経て創り出された時計ですから1本数百万円から数千万円の値がつきます。
しかしながら、世の中に1つしかない完全オーダーメイドの時計ということや、時計が組み立てられるまでのすべての過程がカメラに撮られており、ゼロから時計が出来上がるまでのストーリーが1冊の写真集に収められていることなどを考えると、それだけの価値に見合う対価なのではないのかと思いました。
2歳の頃から機械の取り扱い説明書をボロボロになるまで熟読していたということですから、小さい頃から興味があったことを誰にも追いつけないレベルにまで追求し続けた結果なんでしょうね。普段の生活でも、何気ない普段の生活からもデザイン性のヒントを得る視点で常に物事を見られており、プロの中でも頂点に立つ人の習慣を垣間見ることができました。
一人のお客様のために半年以上没頭することは非効率的なことではありますが、大量生産することなく自分の信念を貫く姿勢はまさにプロの極みですね。