今日は、障害をお持ちのお子様がいらっしゃるご家族向けの無料相談会を開催しました。
相談会を通じ、よくありがちな話だけでも知らないと後から大変なことになってしまうかも!と思われる点について、書いてみたいと思います。
障害をお持ちのお子様がいらっしゃる親御様は、ご自身の収入を自分名義の通帳に預金するのではなく、お子様の将来のことを考え、お子様名義の通帳に預金をしている方がかなりいらっしゃるということをお伺いしました。
お子様の将来に備えて一円でも多くその子供にお金を残してあげたいというお気持ちは理解できますし、金銭面で事前対策を考えることは非常に大事なことです。
ただし、お子様名義の通帳に預金をしたことによって、金融機関や後見人からは形式的には、お子様のお金としてみなされる点に注意が必要です。(贈与税の課税リスクや税務上の名義預金として認定されるかどうかの別の問題もあります。)
その状態で、お子様の財産管理のために第三者成年後見人が選任された場合、親御様が、「あくまで形式的にお子様の名義に預金しただけであるから・・・」と、自分の生活資金をその通帳から引き出したいとお願いしても、成年後見人から親御様の生活のためにお金を引き出すことは拒否されてしまいます。
もし、成年後見人に選任されたのが第三者でなく親御さんが選任され、お子様の通帳の引き出しを行う権限があったらどうでしょうか?
もともとの原資は自分の収入であるからと言って、お子様名義の通帳から、自分たちの生活資金を引き出して利用し続けていると、監督している家庭裁判所から、適切な後見業務を行っていないと判断され、最悪の場合、後見人を解任されることになってしまいます。
また、お子様名義にお金を預金し続けた後、何も対策を取ることなく、親御様が認知症になった場合、親御さんは自分の預金を下ろすことが出来なくなりますし、お子様の預金も誰も管理が出来ないため、事実上、親子両方の預金が凍結状態となってしまいます。
そのような状況にならなかったとしても、お子様のためだけにお金を預金した結果、ご自身の預金が少なくなってしまい、親御様自身の長生きリスクに対応できないということにもなりかねません。
事実、相続対策のために預貯金をお子様に贈与した結果、ご自身の生活資金がなくなってしまったという話をたびたび耳にすることがあります。
さらに、預金をし続けているのが一人っ子で、親御さんが亡くなった後にその一人っ子もお亡くなりになられた場合、相続財産は行き場を失い、最終的には国庫帰属といって、節約しながら一生懸命お子様のために預金していた財産が、国のものとなってしまいます。
対策については、部分最適でなく全体最適で考えていく必要があります。もし、お子様名義の通帳でお金を管理されている方がいらっしゃいましたら、上記のリスクがありますので、くれぐれもご注意ください!