今日は、私が後見人をしている被後見人の施設まで、定期的な打ち合わせのために、日の出町まで出かけてきました。
この被後見人の方は、私が初めて後見のお仕事を携わらせていただくきっかけとなったお客様です。後見制度が平成12年4月1日にスタートし、その1年後の平成13年に後見人として就任させていただいておりますから、すでに16年が経過しようとしております。
平成9年に独立し、4年が過ぎてようやく実務にも慣れてきた頃に、師匠の先生から、この成年後見の案件をご紹介をいただきました。前年に制度が施行されたばかりで、まだ実務が定着していない時期でしたので、後見人としてうまくサポートすることが出来るのか悩んだことを思い出します。
被後見人の方は、生まれながらに知的障害をお持ちで、今まで知的障害の方と接点がなかったので、うまくコミュニケーションが取れるのかや、事務所から施設までの距離のことも、後見人に就任してからの不安材料の一つでした。
というのも、今は圏央道が開通したので訪問させていただくのに時間がかからなくなりましたが、当時はずっと下道で行くため、ご本人にお会いするのに片道2時間、往復で4時間以上もかかるので、何か突発的なことがあってもすぐに駆けつけることができないからです。
就任当初は、ご本人とまったくコミュニケーションを取ることができませんでしたが、時間をかけてでも何度か訪問させていただいたことで、時間の経過と共に、ニコニコしながら出迎えていただけるようになり、身振り手振りでコミュケーションも少しづつ取ることができるようになり、ご本人が望んでいることもなんとなくわかるようになってきました。
また、施設の方のサポートがしっかりしており、病気や通院の必要があっても、すべて担当の方が付き添っていただくため、私が緊急に駆けつけなければならないという場面は今までありませんでした。
そんなこともあって、成年後見の仕事に自信がつき、その後、セミナーの講師を務めたり、市役所で講演したり、同業の研修の講師をさせていただいたりと、後見制度を理解してもらうためにいろんなところでお話をさせていただくようになったのも、この案件をサポートさせていただいたおかげだと思っております。
16年の時が経過して、障害者としての支援制度を継続すべきか、高齢者としての支援制度を利用すべきか、新たな課題も生じています。今回は、施設の担当の方とも打ち合わせした結果、現状の支援体制を継続することになりましたが、ご本人にとってベストな支援が何なのか、判断を迫られる時期にきております。
利用者が、障害者施設から高齢者施設へ移られた前例がその施設で経験がないため、施設の方とご本人の意向も尊重しながら、そのベストなタイミングを見極めていくことになりそうです!