地方銀行や信用金庫が人材紹介業に相次いで参入しているとの新聞記事がありました。
昨年、金融庁が銀行の業務範囲規制を緩和したことを受け、上場する78の地銀・グループの約4割の30行が参入を表明し、人材大手企業などと組んで、取引先の中小企業に経営人材を紹介していくようです。
これまで銀行は、預金や融資など本来の銀行業以外の兼営が認められなかったのですが、18年3月に金融庁が銀行の監督指針の改正を行い、人材紹介業を展開しやすいように規制を緩和しました。
10月末で30行の地銀が人材紹介業の許可を届け出たそうで、このほか一部信用金庫も登録したようです。
地方の人手不足は深刻で、地元金融機関として取引先企業への人材紹介は地元企業を救うことになりますし、また、低金利で収益確保が厳しい状況の中、人材紹介業で新たな収益源が確保できる訳ですから、地銀にとってもメリットは大きいと思われます。
金融庁は人材紹介以外にも銀行の業務範囲を広げる方向で規制を見直しているようです。
具体的には、10月に銀行が地域商社を設立しやすいように監督指針を改正し、「銀行が取引先企業の商品の販路開拓などを支援し、地域経済の底上げに繋げる効果を期待する」ようです。
地域経済に絶対的に影響力がある地銀が、融資だけではなく、取引先が求めている人材や販路開拓等のソリューションビジネスを展開していくことが、地銀自らの経営基盤強化に繋がっていくでしょうから、金融庁の規制緩和はその後押しなのですね。