昨日、「未来投資2017」が閣議決定されました。
最新の技術を利用した成長戦略、新たな価値の創造や変革をもたらすための戦略など、重点分野についての施策と指針が決められました。
その中で、私たちの業務にも影響があると思われる「規制改革・行政手続きの簡素化・IT化の一体的推進」の項目を紹介したいと思います。
2020年3月までに、行政手続コストを20%以上の削減を目指すとともに、国内外の企業にとって世界で一番活動しやすい事業環境を提供することが、未来投資戦略の中で目指すべき社会像とされております。
今までの行政目線の「行政手続」から、事業目線の「公共サービス」に発想を大きく転換して、最新のIT技術、法人番号、マイナンバーなどの制度も最大限活用し、あらゆる手続きを見直して、利用者の利便性の向上に取り組むとのことです。
そのため、同じ目的又は同じ内容の申請・届出等の書式・様式を共通化して、政府内で情報を共有することで一度提出した情報は2度と求めない「ワンスオンリー」を原則とする見直しが実施されます。
また、法人設立・社会保険料納付等、複数機関での手続きを「ワンストップ化」することも検討されています。
変革後の例として、起業家がベンチャー企業を設立する際、スマートフォン上で法人設立に必要な事項をQ&A方式で入力等すると、法務局、税務署、労働基準監督署、年金事務所等へ全ての申請情報等がオンライン上送付される・・・ということが紹介されておりました。
なお、この未来投資戦略の中で、今までもブログでご紹介させていただいております「ブロックチェーン技術」についてもふれられておりました。
具体的な施策ではありませんが、ブロックチェーンに記録されるデータの真正性確保やアクセス権確認のための公的個人認証の活用、スマートコントラクトを活用した手続き効率化の促進等の実現に向けて、運用・ルール面の課題について検討する・・と記載されておりました。
同時に、効率性や利便性の向上に資する革新的な電子行政の実現に向けた計画を、来年度を目処に策定するとありましたので、近い将来、詳細がわかるものと思います。
今まで縦割り行政で、この手続きは●●に申請、あの手続きは●●に申請・・ということで、手続きの内容によって申請窓口も異なり、各省庁間でデータも積極的に共有がされていませんでした。
今後は、「行政目線から事業者目線へ発想を大きく転換」とありましたので、今後それらの情報が共有されることやワンストップの申請手続きで、私たち士業間の垣根が低くなったり、行政による手続きの利便性や自動化によって、手続き業務がなくなる・・・などの変化が近いうちに起きることが想定されます。
このような変化に取り残されないために、私たち自身も成長戦略をしっかりと持つ必要がありそうです!