昨日は、自分以外に不動産購入資金を出す人がいる場合、資金を出した割合に応じた持分で登記をしなければ、贈与税が課税されることとなります!
という内容をお伝えさせていただきました。
今日は、共有名義ではなく単有名義で登記をしたいと希望されていらっしゃる方に、一つの方法をお伝えしたいと思います。
そもそも、共有名義でなく単有名義で登記をするというニーズは、どこにあるのでしょうか?
それは、共有名義のデメリットを避けるために、単有名義を選択する・・・・ということがあげられます。
共有名義で登記した不動産を将来的に売買する場合、共有者全員が不動産の売却をすることに合意しなければなりません。実は、このことが後々ハードルとなることがあります。
というのも、不動産を購入した時に共有者の関係が良好だとしても、売却する時までその良好な関係が必ずしも続いているとは限らないからです。
夫婦で購入した場合、将来的に離婚することもありますし、両親と一緒に購入した場合には、親子で揉めてしまうこともよくある話です。また、相続人が共有で不動産を相続した場合も、今後の方針について兄弟争いが起きて売却がスムーズに行かなくなることがあります。
また、最近ご相談があった事例で、父親と一緒に不動産を購入して共有名義にしたところ、父親が脳梗塞で倒れて入院してしまったため、すぐに不動産を売却することが出来なくなってしまい、「共有名義にしなければ良かった・・・」と後悔されているお客様がいらっしゃいました。
それでは、具体的にはどのようにしたらいいのでしょか?
一つの方法ですが、売買代金としてではなく、貸付金として資金を出してもらう方法があります。たとえば、3000万円の不動産購入するために、自分で2000万円のローンを組み、両親に1000万円を出してもらうケースだとします。
この場合、自分が3分の2、両親が3分の1の共有名義にするのではなく、1000万円を両親から借りて、2000万円のローンと一緒に借りた1000万円の合計3000万円で支払いをすることで、自分がすべての売買代金を支払ったこととなるため、単名名義とすることができます。
もちろん、借りたこととなるので、1000万円については分割して月々返済することにはなりますが、共有名義の煩わしさからは解放されます。実際にこの方法で行う場合は、金銭消費貸借契約書を作成したり、利息を支払ったりする必要があり、口約束でお金を借りたことにしておいて、実際は返済しない・・・など、実質的に贈与とみなされてしまう場合は、贈与税が課税される可能性がありますので、注意が必要です。
明日は、「共有名義はNG」「お金を返済する方法で単有名義にするのもNG」・・・と思われていらっしゃる方が利用できる方法をお伝えしたいと思います。