この仕事をしているせいなのか、興味のあるニュースを聞くと謄本を取得し、自分の目で事実を調べたくなってしまいます。一種の職業病ですね・・・。
今回もある事件の顛末を知りたくて、その会社の謄本の請求をしていましたが、登記中でずっと取得できませんでした。
先日のブログでもご紹介しましたが、登記が申請されると、登記記録にロックがかかるため、謄本を取得することができません。
ニュースで一報を聞いてから、インターネットで謄本を申請してみると、「請求のあった会社・法人等は登記事件の処理中です。登記が完了した後に再度請求してください。」という表示になり、登記がすでに申請されていたことがわかりました。
その会社とは、金銭トラブル?などが原因で、北野武さんが森社長と決別し、独立騒動を引き起こすこととなった「株式会社オフィス北野」です。
当初、登記中の画面が表示された時は、「報道される前に、北野さんの辞任登記がすでに申請されていたんだな・・」と思っておりました。
通常、1週間から2週間程度で登記が完了するので、時期を見てはインターネットでの謄本申請をしていたのですが、いつまでたっても完了する気配がありません。
4月の終わりになってやっと謄本を取得することができました。
ところが、取得できた謄本を確認すると・・「?」
なんと、北野武さんが、そのまま役員として登記されておりました・・・。予想していた登記申請と異なっていたため、何の登記が申請されていたのか謄本を隅々まで確認しましたが、騒動があった月に登記申請されているものはなく、平成30年1月12日に申請されたものが最後となっておりました。
ちなみに、オフィス北野は「取締役会設置会社」となっており、取締役会が設置されている会社には、取締役3名が必須となっています。
オフィス北野の取締役は3名しかおらず、そのうちの1名が辞任で取締役を退任し、新たな後任者の就任もなかったため、取締役会のない会社に変更をするために必要な登記がされておりました。
つまり、1月12日に申請された登記は・・・・
①取締役1名の辞任登記
②取締役会設置会社の廃止の登記
③譲渡制限に関する規定の承認機関を取締役会から株主総会へ変更
という上記の3つの申請が確かにされていたのですが、1月12日の申請日ということを考えると、今までこの登記申請で登記中だったとはあまり考えられません。
登記に不備があって、その不備を補正するために登記完了予定が遅れるということは実務上あるにせよ、3ケ月以上も補正中のままにしておくことを法務局が行うとは思えないからです。
となると、
今まで登記中だったのは何だったのか?
北野さんが辞任していないのは何故なのか?
登記を申請したが、何らかの事情で取下げしたのか?
事件の顛末を謄本で確認しようとしたのですが、余計に謎が深まる結果となりました・・・(笑)