今日の午後は、民事信託に関する検討会に参加しました。今までは往復3時間近くかけ、都内の信託銀行の会議室まで出かけておりましたが、最近はパソコンによるテレビ会議のシステムを利用して、会場の様子を同時配信できるようになったので、事務所の応接室で受講することができ、IT技術のおかげで楽をしております。
信託に関して、実際に案件を組成している方からの実例を題材にして、法務・税務などの実務上の問題点をあらゆる観点から検討を行い、まだまだ信託は奥が深いことと、委託者のために信託を行うという原則を徹底しないと、相談にのっているうちに気づけば受託者のための信託になっていたこともありうることがあり、そのような事態に陥らないよう、気をつけなければと感じた検討会でした。
その検討会の中の最後で、三井住友信託銀行の行員の方から、新しい商品の紹介がありました。
「任意後見」×「信託」=任意後見制度支援信託という業界初の商品とのことです。
【三井住友信託銀行のお知らせより抜粋】
法定後見×信託=後見制度支援信託というのはあったのですが、任意後見では初めての仕組みです。
成年後見よる不正事件数は過去6年で約3500件、不正被害額は240億円にものぼるそうです。将来、自分が認知症など判断能力が喪失した場合に備えて、信頼できる人に預けた財産が後見人の不正によって使い込まれることがあるようであれば、安心して制度を活用することができません。
それらの不安を信託という方法を使い、財産を保全するのが任意後見制度支援信託です。商品概要によると、信託設定時に54000円の費用がかかりますが、信託の管理中は管理報酬もかからないようですので、コストを気にせずに利用できそうです。
また、預けられる財産も500万円からということなので、気軽に利用できそうです。今後、任意後見契約を行う際にお客様におすすめしてもいいかなと私も感じましたので、ご紹介させていただきました。