5人に1人以上が認知症になってしまうことが見込まれる時代に備えるために、先日、認知症のリスクに関するセミナーを開催しました。
認知症になってしまうと、原則、配偶者であっても預金を下ろすことが困難となり、お金があっても使えなくなりますし、預金以外の財産、例えば、不動産や株券などの資産が「凍結状態」になってしまいます。
このような状態になってしまったらどうすればいいのでしょうか?
認知症だけでなく、脳の疾患などで判断能力が喪失してしまった場合、判断能力を喪失した方の財産管理を行うためには、成年後見制度を利用する必要があります。
成年後見制度には、「法定後見」と「任意後見」という2つ制度があります。法定後見はすでに認知症になった方の財産管理を行うための代理人を裁判所に選任してもらい、本人を支援してくこととなります。
判断能力を喪失した程度に応じ、軽い状況の「補助」、中程度の「保佐」、一番重い「後見」の3つの制度の中から支援がされることになります。法定後見はすでに認知症となってしまった方を支援する制度であり、本人の意向が完全に反映されるのでなく、法律で定まっているパターンでの支援となります。
一方、任意後見は、自分が将来認知症になった時に備え、元気なうちに自分が支援して欲しいことを、自分が信頼した代理人との間で契約をすることになります。契約後、認知症となった時に、家庭裁判所で手続きを行うことで、当初の契約した内容に従って、代理人の方が本人を支援していくこととなります。
よって、法定後見のように、法の定めによる一律のパターンによる支援ではなく、自分の意向に応じたオーダーメイドの支援が可能となります。
ということで、法定後見よりも任意後見の方が、本人の意向に即した支援が可能となるのですが、最近ではさらに、任意後見のデメリットを補う家族信託という制度を活用したり、任意後見と家族信託を併用する仕組みを活用する方法があります。
いずれにしても、ご自身が元気なうちに対策をしておかなければ、自分らしい生活をおくることが出来なくなってしまいます。
万一に備えて保険に加入することと同じように、将来の認知症に備えて事前の対策をしておくことを考えられてみてはいかがでしょうか?
備えあれば憂いなし。ぜひ、掛け捨て保険に加入すると思って、対策をしておくことをおススメします!