下記の数字、何だかわかりますか?
・747億円
(3月2日・5日・14日・15日・19日・20日・22日・23日・26日・28日)
・743億円
(3月1日)
・12億円
(3月6日・7日・8日・9日・12日・13日・16日・27日)
太字で記載している金銭が、1ケ月の間、括弧書の中に記されている日時に実際に使われています。
実はこの数字、3月中に日銀がETFを購入した数字で、合計で8309億円となります。この数字は、日銀のホームページで下記のとおり公表されていて、左側の(1)(2)がETFの購入金額となります。
【日銀HPより引用】
ETFとは、簡単に言うと、上場している投資信託のようなもので、株式市場で株式と同じように売買することができます。
たとえば、日経平均のETFを購入すると、日経平均を構成している225の銘柄の株式を一気に購入したことと同じことになります。よって、日経平均のETFを大量に購入すると、日経平均の株価を押し上げる効果があります。
3月23日は、アメリカと中国の間の関税問題の影響によって、日経平均株価が前日比975円も急落した日でありますが、日銀による747億円の買い支えがあったことがわかります。
どのような基準で日銀がETFを購入しているかわかりませんが、感覚的に午前の相場が下がっている場合に、午後からETFの買いが入るようです。ちなみに、今日も午前の相場は下がって終了していたため、午後から747億円分のETFを日銀購入したものと思われます。
午前に株価が下がっても日銀がETFで購入すると株価が戻るかもしれない・・という投資家の心理によって、実際には日銀がETFがを購入してなくても、市場で株式が買われて株価が上がることもあるため、一定の効果が出ているともいえます。
しかし、需要と供給の適正バランスで株価が形成されている市場で、金融政策とはいえ無理な購入をし続けることで、本来株価が下がるときに下がらないエネルギーが、マグマとなってひそかに溜まっている状態です。
ちなみに、直近の日銀の資産は下記のとおりとなっています・・・・・。
上記によると、日銀は現在、日本の実質GDPに匹敵する約526兆円もの資産を抱えています。その内訳として、資金を市場に供給するために買い入れを続けている国債が445兆円、ETFが18兆円も保有していることになります。
もちろん、将来にわたってこのような状態をいつまでも続けることはできませんので、いずれ出口戦略を実行するときがくると思います。その際、溜まりにたまった負のエネルギーがいつか暴発して、経済に影響することになるものと思われます。
その日がいつ来るかは誰にでも予想は出来ませんが、そのリスクが突然降りかかってこないように、日頃からいろんな数値を目にしておくのがいいかもしれませんね。