ある記念式典に出席するため、数人で山形まで行ってきました。記念式典が始まる前に、地元で有名な蕎麦屋でお腹を満たした後に、式典に参加しました。
式典の後は、山形県知事も来賓者として参加されての祝賀会、場所を料亭に移動しての歓迎会、スナックで二次会、さらには山形で2度目のそば〆として食べ、短い時間ながら、充実した2日間をすごしてきました。
ちなみに、山形では乾杯の際に、山形県産酒で乾杯をするという条例があるそうで、ビールではなく山形の地酒で乾杯しました。そんなこともあって、昨日は、山形の地酒を堪能してきました・・・・。
さて、記念式典の前に記念講演があったのですが、非常にいい話を聞くことができました。株式会社マザーハウスの代表取締役である山口絵理子さんが講演者で、同社の理念である、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という内容で話をしていただきました。
このマザーハウスという会社は、カバンやアクセサリーを、途上国の現地職人の手作りによって生産し、商品を通して生産地のぬくもりをお客様に届けること、つまり機会で大量生産するのではなく、お客様の喜ぶ顔を思い浮かべならが一つ一つの商品を生産している会社です。
ちょうど、壇上から2列目が着席位置だったので、社長のお顔もすぐ目の前で拝見できました。第一印象は失礼ながら、「このような式典で若いデザイナーが講演するなんて。大丈夫かなあ・・」と心配の眼差しでみていたのですが、講演がはじまり、人をひきつける笑顔と話の内容を聞いたときに、「そういえば、以前テレビで見た人だ!」と昔の記憶がよみがえってきました。
小学生にいじめにあってから非行にはしってしまった話、柔道をきっかけに更正した後、柔道が強くなるために工業高校に入学した話、男子部員の中に女性一人で混じって練習した話、その結果県大会で優勝した話、猛勉強して慶応大学に合格し、竹中平蔵さんのゼミに入った話、単身で途上国に乗り込んで、現地の人との間で失敗を重ねながら今に至るまでの話・・・など、起業にいたるまでのエピソードや起業した後の苦労話を1時間半近くしていただきました。
信念を貫くためのパワーがどこから出るのだろう・・・。
かわいらしい顔からは全く想像ができません。しかしながら、信念をしっかりもっていて、着実にその信念を貫くために日々行動されているということがわかりました。
また、途上国すべてを自分で見ることができないため、カントリーマネージャーと呼ばれる日本人の責任者を現地に配置して、すべての権限と責任を負ってもらう方法で生産拠点の途上国を増やしてきたなど、ビジネスを大きくしていくうえで参考となる話しも聞けました。
ちなみに、今でも政情が不安定な国には、スタッフを危険な目にあわせる訳にはいかないということで、山口社長本人が行かれるようです。本当に肝っ玉のすわった女性です。
山口社長はデザイナーですが、デザイン画は書かないとのこと。なぜなら、デザインどおりに商品が完成するとは限らないので、デザインを書くだけ時間の無駄だと。
それよりも、素材を触り、その素材から感じられたインスピレーションを職人に伝えて、話をしながら一緒に商品にしていくとのことでした。職人もデザイナーから一方的にデザインを渡されて、そのとおりに作るやり方では、やらされ感で仕事をすることになるので、いい商品にならないとのことでした。
大量生産が当たり前となってしまった現在の世の中で、利益率や合理性を考えると時代に逆行するやり方です。しかし、素材やハンドメイドにとことんこだわると同時に自分のビジネスを通じて途上国の発展に寄与していくという、素晴らしい理念をお持ちの方で、私自身も理念に共感できましたので、商品を購入して応援したいと思います。
現地の職人さんと手作りにこだわって生産した商品なので、その商品をいつまでも大事に使ってもらうために、アフタケアーも充実しているので、特にカバンは、素材の良さを感じながら長期間にわたって活躍できる一品になりそうです。【マザーハウスHP】
9月14日のカンブリア宮殿に登場されるということですので、興味のある方は村上龍さんと山口社長がどのような対談をされるのか、ご覧になってみてください。
本当に笑顔が素敵な方ですよ!