昨年から騒動となっていました、元横綱の日馬富士の暴行事件で、被害者である貴ノ岩の親方である貴乃花親方が、本日開催された臨時評議員会で、全会一致で理事を解任されることとなりました。
貴乃花親方が理事となっているのは「公益財団法人日本相撲協会」です。同法人は、大正14年12月28日に設立された財団法人日本相撲協会が公益認定を受け、平成26年1月30日に、公益財団法人として再スタートした法人です。
公益認定の申請を行った当時も、暴行事件、野球賭博、八百長問題などの不祥事がニュースで話題となった時期であり、改革を推し進めてきたはずの協会の体質が今でも変わっていないようで、ガバナンス(統治能力)の欠如が指摘されています。
公益財団法人日本相撲協会の定款の第12条で、評議員5名以上7名以内を置くと規定されていて、今日現在7名の評議員が登記されています。同条2項で、総数の過半数を外部有識者とするという規定が置かれていて、7名のうち4名が外部有識者となっていて、残りの3名が元力士として構成されているようです。
定款第18条で、「理事の解任は評議員会の決議事項」となっており、第23条で決議方法が「評議員の過半数が出席し、その過半数をもって行う」となっています。
また、第32条で、職務上の義務を違反し、又は職務を怠ったときは、評議員会の決議によって解任することができると規定されており、これらの規定に従って、貴乃花親方は任期途中で解任されてしまいました。
ちなみに、任期途中に自分から辞めるのは「辞任」で、今回のように決議によって理事を辞めさせられるのが「解任」で、任期満了して辞めるのが「退任」となっております。
暴行をした元横綱の日馬富士の親方である伊勢ケ浜親方は、自分から理事を辞めたため「辞任」となり、12月20日付の辞任の登記が翌日の21日にすでにされておりました。
次回の理事選がすでに話題となっておりますが、現在の理事は平成28年3月28日に就任しており、定款第31条で選任後2年以内の定時評議員会の終結までとなっているため、今年の3月に開催される定時評議員会までが任期となり、再選又は新たな理事が選任されることとなります。
次の理事選は、どのようなパワーバランスが働くのでしょうか。この結果によって、協会の体質が変化するのか、従前の体質のままになるのかの分かれ目となりそうです!