昨日は、取締役→会社に対する損害賠償責任が免除又は限定される件についてご紹介しました。
いろいろと要件がありますが、比較して簡単にまとめると・・・・
・総株主の同意→全額免除も可・故意重過失でも免責可(会社法第424条)
・株主総会の特別決議→一部免除・軽過失のみ免責可(会社法第425条)
・定款+取締役(会)→一部免除・軽過失のみ免責可(会社法第426条)
となり、上記の責任の免除に関してはすべての取締役に適用されます。
さらに、社外取締役など業務執行取締役以外の取締役については、あらかじめ会社との間で、損害賠償責任について、定款で定める額と最低責任限度額とのいずれか高い額にまでこれを限定する契約を締結することができます。
具体的には、責任限定契約を業務執行取締役以外の取締役と締結することができる旨の定款変更を行い、当該取締役と責任限定契約を締結することとなります。(会社法第427条)
この責任限定契約を締結することで、株主総会の特別決議等が成立しなくても、あらかじめ会社との間で締結した契約に基づく範囲内での責任に限定され、業務執行を行わない社外取締役等の人材確保に寄与しております。
ちなみに、SUBARUで最近、どの取締役にも適用される定款+取締役(会)決議で一部免除される会社法第426条と、業務執行取締役以外の取締役に適用される責任限定契約で一部免除される会社法第427条への定款変更決議がされておりました。
ちなみに、社外取締役が会社との間で責任限定契約を締結していたとしてもあくまで取締役→会社への賠償責任が一部免除されるだけなので、取締役→第三者への賠償責任は原則として負わなければならないことにはご注意ください。