社債市場が発行ブームに沸いているとのことです。
低コストで資金調達可能として、企業が社債発行に傾斜し、2019年は最高の発行額になっているようです。
資金調達手段のうち、間接金融である銀行借入は、事業資金や設備資金として企業が借入しておりますが、市場金利に影響を受けますので、長期・短期とも借入金利は変動します。
その点、直接金融の社債は発行時の金利がそのまま固定されますので、超低金利である現在の金利状況が長期間にわたり起債企業は恩恵を被ることになる訳です。
因みに、三菱地所は本年4月に国内の公募債市場で、最長かつ初めての50年債で発行額150億円の社債発行をしました。
利率は1.132%と超長期間にわたり低金利で固定されたことになりますね。
同様にJR東日本は7月に50年債を200億円、利率0.809%、大阪ガスも5月に40年債を200億、利率0.818%でそれぞれ起債しております。
債券は通常、期間が長いほど金利が高く、その分、リスクも高まりますが、資金の運用難から低金利状況でも魅力的と映るのでしょう。
社債発行ブームと裏腹に、従前の資金調達は銀行借入が一般的でしたが、企業がこのように調達の多様化を図っているわけですから、ますます銀行ビジネスの狭隘化を感じざるを得ないですね・・・。