横須賀市が、「終活情報登録伝達事業」(通称=わたしの終活登録)を5月1日から始めることを発表しました。
生前に終活に関する準備をしていたとしても、身寄りがなくお亡くなりになった場合、遺言やエンディングノート、生前に用意していたお墓の場所を知っている人がいないということになります。
最悪、誰もお墓の所在がわからなかった場合、せっかくお墓を用意していたにもかかわらず、その存在が判明しないために無縁納骨堂に納骨される事態が生じることもあります。
そこで、横須賀市民の方が、下記11の情報を、横須賀市役所に登録できるようにしておき、病院・消防・警察・福祉事務所・本人が指定した方から照会があった場合に、その方々に回答することによって、本人の意思を実現していくための仕組みが考えられました。
【登録できる内容】
(1)本人の氏名、本籍、住所、生年月日
(2)緊急連絡先
(3)支援事業所等
(4)かかりつけ医師やアレルギー等
(5)リビングウィルの保管場所・預け先
(6)エンディングノートの保管場所・預け先
(7)臓器提供意思
(8)葬儀や遺品整理の生前契約先
(9)遺言書の保管場所と、その場所を開示する対象者の指定
(10)墓の所在地
(11)本人の自由登録事項
どれも、終活に関する大事な情報ばかりですね!
なお、情報を開示する方法は「生前開示」と「死後開示」の2通りがあるようです。
生前開示は、本人が認知症や判断能力が喪失し、登録内容を伝えられなくなってしまった場合に、病院や警察などから照会に対して、上記登録事項のうちの(9)と(10)を除く情報が開示されることになります。
死後開示は、(9)と(10)を含むすべての情報が開示されることになりますが、(9)の遺言書の保管先については、本人の死後、「本人が指定した者に対してのみ開示」されます。
また、(10)の墓の所在地については、本人の死後、「納骨、墓参希望のすべての第三者に開示」されることになります。
横須賀市がはじめたこの事業が、各自治体にも広がって、最終的には「終活情報バンク」として、国が一括して登録するシステムを構築することができれば、もっと終活に関する国民の意識が高まっていきますし、残された方が判断に迷うことも少なくなってくるものと思います。
横須賀市の終活情報登録伝達事業で登録できる(1)から(10)までの項目を参考に、残された方が困らないように、ぜひご家族にご自身の意思をお伝えしてみてはいかがでしょうか?