今日の午前は公証役場で公正証書遺言の作成に立ち会ってきました。遺言されるのは、ある会社の会長です。すでに、後継者への事業承継が完了しており、引き継いだ社長による経営も上手くいっています。
今回は、自分が亡くなられた後のことを考えて、手続きをすることとなりました。もちろん、推定相続人の中が悪いとか揉めそう・・・・などの特別な事情はありません。
「事業を承継していく相続人」と「事業にかかわらない相続人」がいらっしゃるため、念には念を入れてとの会長のご判断で、遺言を作成することになりました。
まずは既に発行済みの会社の株式の一部を優先配当無議決権株式に変更するための手続きを行いました。そのうえで、不動産や預貯金など、その他の財産の分配と同時に、議決権のある株式を事業承継者へ、優先配当無議決権株式を事業承継しない方へ相続する内容としました。
最後の付言事項で、会社を設立した想いや理念、遺言を作成した趣旨など、残された相続人が遺言書をご覧になられたときに、会長様のお考えが伝わるように文案を作成させていただきました。
必要にせまられ焦って対策をするのではなく、余裕をもって先を見通せる状態で対策をしてきたので、選択肢もいろいろとありますし、利害関係人の協力も得られることができます。
今日で事業承継の対策は一区切りついたのですが、改めて余裕をもった早めの対策が大事だと感じました。