最近、自己株式の取得に関する相談が続いています。自己株式とは、会社が保有する自己の株式のことであり、一度自社で発行した株式がなんらかの事情によって、自社で取得することによって起こる現象です。
上場企業だけでなく、中小企業でも自己株式の取得を行っている会社も増えているようです。何社かご相談いただいたケースで、自己株式として取得できない場合がありました。
よくあるケースが、株式を買取る際の財源の制限に抵触してしまう場合です。会社法の461条で、会社が自己株式として取得する場合は、その取得対価として支払う金銭等の総額が自己株式の取得時の分配可能額を越えてはならないと定められております。
自己株式を買い取るための現金があったとしても、累積赤字等があって赤字の会社は自己株式として取得することができません。
分配可能額の目安として、貸借対照表の「その他資本剰余金」と「その他利益剰余金」を合算し、すでに自己株式を取得している場合はその簿価を引いた数字が「分配可能額」となります。
自己株式取得を考えていらっしゃる方は、貸借対照表でご確認されることをオススメします。