司法書士試験は11科目を1日で解かなければならないので、試験当日までに頭の中で知識を整理して覚えておく必要があります。1問1問について、じっくりと考えている余裕はなく、もたもたしていると制限時間に解答することができなくなってしまいます。
受験勉強中は万遍と活字を読んで覚えるのではなく、似て非なるものの違いなどを意識して覚えることが、短期合格へのポイントになると思います。というのも、試験ではそのような違いが問われることが多いからです。
例えば、「抵当権」と「根抵当権」で相違しているところ、「株主総会」と「取締役会」で相違しているところなど、知識が混同していると思われるところをいやらしく問われてきますので、取りこぼしをすることなくしっかりと解答することが必要です。
私も受験生のときは、似て非なるものについては、セットにして表で覚えるようにしておりました。先ほどの例のように、株主総会の知識と取締役会の知識をバラバラに覚えていると、いざ試験で問われたときに「あれ、株主総会だったかな?それとも取締役会の規定だったかな?」と迷ってしまい、瞬時に解答することができず、時間を浪費してしまいかねないからです。
比較してセットで勉強することで、「この点は混同しやすそうだから問題で問われるかもしれない・・・」と、試験問題を作成している人の気持ちになって、勉強すべきポイントが見えてくることがあります。
会社法を一例にすると・・・・
「株式会社」と「持分会社」
「公開会社」と「非公開会社」
「取締役設置会社」と「取締役非設置会社」
「第三者割当て」と「株主割当て」
「株式分割」と「株式無償割当て」
「取締役」と「監査役」
「決議の省略」と「招集手続きの省略」
「普通決議」と「特別決議」と「特殊決議」
「決議取消しの訴え」と「決議不存在確認の訴え」と「決議無効確認の訴え」
など、意識すれば比較できるものがかなりあると思います。
ご自身でそれらの比較をピックアップする時間がないという受験生の方は、そのような違いが表になってまとまっている書籍が予備校などで販売されておりますので、活用されると良いと思います。
活字で覚えるより、表を活用して視覚的に覚えることは知識を定着させるためには有効だと思われます。また、要件や手続きのフローチャートなども活字ではなく、表にして覚えてしまうほうが理解が早い気がします。
試験当日に、活字を読んでいる時間はありません。受験期間中に勉強で使用したそれらの表を一読することで、短時間の間に勉強した知識が頭の中にすばやく入ってくることと思います。また、試験問題でそれらが問われたときでも、覚えた表が頭の中にくっきりと浮かび、迷うことなく正解を導きだすことができるでしょう。
ということで、表をつかって合理的に知識を取り入れて、あやふやな記憶でつまらない失点をすることを防ぎ、合格を勝ち取っていきましょう!