昨日は、あるお寺で関係者を集めて、打ち合わせをしてきました。この関係者による打ち合わせは昨日が初めてではなく、すでに何度か集まり、回を重ねております。
というのも、今まで受託した中でも五本の指に入るほど解決が困難と思われる難題を依頼されまして、ご相談があったときは「ちょっと解決するのが無理かな?」と思ってしまったのが正直なところです。
実は、以前に同じ案件を弁護士の先生にも依頼をされたようです。その際、弁護士の先生がいろいろと判例などを調べた結果、「こういう判例があるので、この問題は解決は出来ない・・・」という判断をされたようです。一度は諦められたそうですが、どうしても問題解決をしたいということで、めぐりめぐってうちの事務所に再度話が持ち込まれた案件でした。
(案件の内容については、守秘義務のため詳細は差し控えさせていただきます・・・)
弁護士の先生が、この案件について問題が解決できないと判断された際の報告書を拝見させていただきました。確かに報告書の内容は最な見解でしたが、法的な見解だけ述べられていて実際の事実関係や証拠など、実体関係に言及されていないことに気づきました。そこで、その旨を住職の方にお伺いしたところ、事実関係を調査することなく判例の見解がダメなので・・・と言われたそうです。よって、事実関係を調査したり役所との交渉次第では、もしかしたら結果が変わるかもしれないと思い、案件を受託することに決めました。
問題解決のため法務局と打ち合わせしたところ、当初は土俵にもあがりませんでした。ここで諦めたら今までと同じことになってしまうので、過去の謄本、土地台帳などの資料収集・調査にはじまり、関係官庁からの資料収集と打ち合わせ、公文書図書館の調査、時系列の整理、当事者からの聞き取りを関係者で協力して行い、論点整理をして法務局とも粘り強く交渉を続けた結果、問題解決まではまだ時間と労力を要しそうですが、進むべき方向性が見えてくるようになってきました。
当初担当された弁護士の先生は、法的な見解である結果から考え、事実関係を調査することなく、この案件は解決が不可能という判断をされました。逆に私の方では、結果はともかく、事実関係を積み上げることで、問題解決に導く結果を求めていくアプローチをしております。
もしかしたら、最終的な結果は同じことになるかもしれません、ただ、問題解決のためにいろいろと知恵を絞り、お客様のご要望に最後まで寄り添った結果がダメであれば、私も諦めがつきますしお客様も納得していただけるものと思っております。そもそも、一度不可能と判断されてから、誰も案件を受けてこなかったわけですので・・・。
今回は戦災で役所も焼失しているため、当時の資料がないという大きなハンデもありますが、諦めず、一つ一つの小さな事実を積み上げて、問題解決までのアプローチをしています。その結果、少しずつ事実が判明してきており、欠けたパズルのピースを見つけるような感覚で問題解決をしております。
すべてのピースが揃ったときに、はたしてどのようなパズルが完成するか、今から楽しみです。