今日は、「国境なき医師団」が2年前に行った、「終活と遺贈に関する意識調査」のうちの1部のデータを紹介したいと思います。
アンケートは、全国15歳から69歳の男女を対象に、インターネットリサーチで得られた集計結果です。
データを分析すると、大半の方が、「終活に関して大事だと感じていながら、まだ他人事だと感じていらっしゃる方が多い」ということがわかります。つまり、知っているけど、していない状態の人が多いということです・・・・。
まずはじめに、遺言書を作成することについての気持ちについて聞いたアンケート結果が以下のとおりです。
【国境なき医師団のプレスリリースより引用】
回答は以下の3つにわかれています。
・準備が大事だし、自分も準備が必要だと思う(または、準備を済ませた)
・準備が大事だが、自分には(まだ)必要がないと思う
・準備自体不要だと思う
上記のグラフの結果からもわかりますが、全体の9割近くの方は、準備することは大事だと感じていらっしゃいます。ところが、準備をすることが大事と考えていらっしゃる方の大半が、自分には(まだ)必要ないと感じていらっしゃいます。
このギャップが、万一の事態が突然生じたとき、多くの方が「あの時、対策をしておけば良かった!」と後悔される一因になっているのではないかと思います。
遺言書作成だけでなく、エンディングノートを作成することについても同様のアンケートを実施されておりますが、結果は遺言とほぼ同じで、9割近くの方は準備が大事と感じていらっしゃいながら、自分には(まだ)必要ないと感じていらっしゃいます。
さらにもう一つアンケート結果をご紹介したいのですが、パートナー(夫・妻)がいる人に、パートナーの終活に対する気持ちを聞いた結果が以下のとおりです。
パートナーに「エンディングノートを作成して欲しい」と思う人の合計は、夫が56.3%に対し妻は73.3%です。
また、「遺言書作成をして欲しい」と思う人の合計は、夫が50.9%に対し妻は64.3%という結果となっています。
この結果から、半数以上の妻は、口には出して言えないけれども、心の中では夫に対し、終活を望んでいることがわかります。
ちなみに、パートナーと一緒に行いたい終活のランキングは、
1位が身の回りの整理などの「生前整理」
2位が「遺言書作成」
3位が「エンディングノート作成」
・・・・・・という結果になっておりました。
なかなかパートナーに言い出しにくい終活ですが、実はパートナーと一緒に行いたい終活の上位は、遺言書作成やエンディングノート作成となっています。
まずはランキング1位である生前整理をきっかけに、お互いに将来のことを話し合うきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
また、最近では終活に関するセミナーなどが多数開催されています。トラブル事例を学ぶことで、将来への備えに対し当事者意識も芽生えていくのではと考えています。
最初のアンケート結果の、「準備が大事だし、自分も準備が必要だと思う(または、準備を済ませた)」と「準備が大事だが、自分には(まだ)必要がないと思う」の比率が逆転していき、一人でも多くの方が、将来後悔することがないように、当事務所でもみなさまに終活の大切さを伝えていきたいと思います!