連日、障害者雇用の水増しが問題となっています。
本来、この制度を主導して見本となるべき中央省庁や裁判所でも水増しが行われていて、実際は法定雇用率を下回ることが明らかとなっています。
「特例子会社」を設立して、障害者の法定雇用率を遵守するために取り組んでいる民間会社もある一方で、上記のような報道がされることは残念な限りです。
ちなみに、一般企業へ就職することが困難な障害者の方のために、就労の場を提供する「障害者就労継続支援」という制度があります。
この障害者就労継続支援には、「A型」と「B型」の2種類があります。
A型は雇用型と呼ばれ、事業者と障害者の方が雇用契約を締結して、仕事の対価として給料が支払われます。B型は非雇用型と呼ばれ、A型の仕事が困難な障害者の方を対象に、雇用契約を締結せずにA型よりも負担の少ない作業を行うことで、給料ではなく作業をした分の工賃が支払われる仕組みとなっています。
最近では、このA型の事業所が業績不振によって倒産するケースが増えて来ており、昨年比2倍の件数の倒産となっているようです。
このA型の事業所が倒産すると、その事業所との間で雇用契約を締結していた障害者の方が解雇されることとなり、雇用する場を失ってしまうという事態がおきてしまいます。
規模が大きい事業所の倒産によっては、100人以上の障害者の方の雇用が一気に失われることも生じているため、上記の水増し問題と同様、早急に取り組んでいかなければならない課題だと感じております。
ぜひ、今度は中央省庁主導で検討していただき、雇用機会の確保と雇用継続が維持できるように改善してもらいたいと思います。