昨日の夜は、不動産取引に関する支部研修を開催しました(写真はイメージです)
支部で研修担当となっているため、会員のためになる研修をあれこれと企画しております。今まではどちらかというと、制度や手続きに関する研修が多かったのですが、今後手続き業務が減少することも考慮して、コンサルティングを重視した研修を増やそうと思い、昨日の研修を企画いたしました。
今までの司法書士の仕事は、すでに不動産の売買契約が成立した後に、所有権移転の登記申請を行うなど、実体的なことに関与することはあまりしてきませんでした。つまり、不動産会社の方から契約書の資料をいただき、最終的な手続きのみを司法書士が担当する役割となっています。
ビジネス的に考えると、川下的な仕事ということがいえますし、下請け的な要素の仕事ということもいえます。さらに今後は人口の減少に伴い、不動産取引も減っていくことが想定されますし、AIやブロックチェーンシステムなどの新たな技術により、私たちの手続き業務はシェアの奪い合いが起きるものと思います。
よって、そのような将来的な見通しを考えると、私たちの業務も「手続き業務→コンサル業務」へと変化変容していく必要があります。つまり、お客様と直接向き合い、お悩みをの相談を受けて解決に導いたり、お客様自身も気がつかれていない潜在的なリスクをヘッジしたり、お客様にとってメリットのある提案をしたりと、川下の手続きから川上のコンサルへ仕事の質を変えていく意識を持ち、環境変化に対応していかなければ生き残っていくことができなくなっていくものと思います。
そのようなことを考えて、野村不動産アーバンネット株式会社様の協力を得て、複雑な不動産取引を専門に扱っている部署の方に講師になっていただき、借地に絡む地主と借地人との実際のトラブルについて、問題解決のポイントについて講演してもらいました。それぞれの案件の背景から登場人物の方の思惑、解決に導く過程まで、余すことなく教えていただけました。
司法書士はずっと手続きを優先して考えがちで、実体がまずあってその後に手続きがあるということを忘れがちです。昨日のような研修を重ねることで、より多くの会員がお客様のお悩みに積極的に寄り添い、多くの問題解決できるようになることを研修の目標としていこうと思っております。
研修の後は、講師の方との懇親会を行い、情報交換や人脈形成にもつながりました。特に開業し立ての会員にとっては、気軽に相談できる窓口にもなったと思いますし、講師の方にとっても新たなビジネスのきっかけにもなりますので、非常に有意義な研修となりました。