会社の商号を変更した、事業目的を追加した、役員の任期が満了した・・・など、登記されている事項に変更が生じた場合には、その変更登記が必要となります。
会社の本店を管轄する法務局に変更登記の申請を行うことになりますが、申請から登記が完了するまで1週間から2週間の期間がかかります。
登記中の間は、会社の謄本を申請しても取得することはできません。というのも、登記の申請が受付された時点で、会社の登記記録にロックがされてしまうためです。
ロックがかからずに、登記申請以後でも謄本が取得できるようになってしまうと、変更登記が申請された後にもかかわらず、その変更が反映されていない証明書が出回ってしまうこととなり、問題が生じることになってしまうからです。
登記記録がロックされてしまうことに伴い、会社の謄本だけでなく、印鑑証明書の取得も出来なくなってしまいます。不動産会社の方が、不動産の売却に伴う所有権移転手続きのために印鑑証明書が必要となり、最寄りの法務局に印鑑証明書を取りに行ったところ、「登記中で印鑑証明書が取得できません!」と窓口の方に言われて困った・・・と事務所に連絡がくることがあります。
このような場合、登記中でも印鑑証明書が取得できる場合があります。
・会社の本店を管轄する法務局の窓口で印鑑証明書の取得を申請
・申請中の登記が、印鑑証明書に記載されている事項に影響がない
上記の場合については、登記中であっても印鑑証明書を発行してもらえます。
印鑑証明書には、商号・本店・代表者・代表者の生年月日が記載されています。もし、変更登記を申請したのが商号・本店・代表者の変更でなければ、登記中の間に印鑑証明書を発行したとしても、実態と齟齬することがないからです。
近年、会社の登記を扱う法務局が集中化されて、1県で会社登記を扱う法務局が1か所しかないという県が多くなっています。よって、最寄りの法務局が必ずしも会社の本店の管轄法務局ではないため、管轄でない法務局で証明書を申請すると、「登記中で・・・」ということになってしまいます。
登記が完了するまで待てない事情があるようでしたら、管轄法務局の窓口で申請してみるのも一つの手だと思います。
いずれにせよ、登記申請中は、原則、謄本や印鑑証明書が取得できなくなってしまいますので、登記申請前に必要な部数を取得しておくことをおススメします。