昨日、「成年後見制度」についての相模原市議会議員の先生と意見交換を行いました。
成年後見制度は、判断能力が低下した方を支援するための制度であり、超高齢社会に突入していくうえでなくてはならない制度です。
ところが、思ったほど制度が利用されておりません。以前は、制度のことを知らないために、利用率が低いという時期もありましたが、現在では制度のことを熟知しながら、あえて制度を利用しないという選択をされる方が増えてきているような気がします。
判断能力が低下した場合、本人を支援するために後見人が選任されます。以前は、後見人として親族が選任されることが多かったのですが、最近では、司法書士・弁護士などの第三者後見人が選任されるのが大半であり、大事な財産をある日突然知らない方に管理をされることに納得できないご家族の方が、後見制度の利用をためらってしまうという話をよく聞きます。
ちなみに、成年後見制度はどれだけの方に利用されているのでしょうか?
裁判所の統計によりますと、後見制度を利用されている方は「約21万人」いらっしゃいます。
一方、現在の認知症の患者数は600万人とも言われております。また、厚生労働省の統計によると、知的障害者の方は74万人、精神障害者の方は392万人いらっしゃるというデータがあります。
つまり、判断能力が低下し、法的に支援が必要な対象の方が「1000万人以上」もいらっしゃるにもかかわらず、実際に制度を利用しているのが21万人しかおらず、制度を活用するニーズがある方の2%しか法的な支援を受けていないということが言えます。
もちろん、すべての方が法的支援が必要とはいえないかもしれませんが、制度を利用する必要のある方へのヒアリングを行い、使い勝手のいい制度になるように改善していきたいものです。
昨日は、地元相模原から現状を変えるため、会合の中で後見制度の現状を共有してもらいました。