金融機関、税理士事務所、不動産会社などのお客様から、各種調査を依頼されることがあります。
不動産の権利関係がどうなっているかや取引相手の会社がどのような会社なのかなど、公開されている情報を駆使して依頼内容に関する調査を行い、不動産を購入したらいいのかどうかや、取引をしてもいい相手かどうかなどをアドバイスするようにしています。
調査費用はかかりますが、取引前のリスクを限りなく軽減するため、事前予防と考えて慎重に調査をされるお客様がいらっしゃる一方で、そのような調査をすることなく、取引をしてしまったことで残念ながら取り返しのつかない損失が発生してしまったお客様もいらっしゃいます。
例えば、名刺を信頼して取引を始めたところ、徐々に取引額が増えていき、数か月後に大きな注文をして商品を納入してから連絡が取れなくなったという相談があり、名刺の情報を頼りに調査をしたら、そもそも会社が登記されていなかったことがありました。
また、借主から頼まれ、お金を貸したものの返済期日になっても返済がないからと相談にお見えになられ、その借主の所有している不動産の登記を調査したら、すでにお金を貸す時点で差押が入っており、信用悪化していたというケースは、よく遭遇します。
「火のない所に煙は立たない」という言葉があるように、危険な取引には必ず何かしらの「違和感」の火種があるものです。
何か問題が起きてからは事後対処するのではなく、念には念を入れて登記記録を調べるだけでも、トラブルに巻き込まれるリスクは軽減されます。
また、ネットで検索することも有効です。今まで、何度も危険な情報をネットから収集し、お客様に取引を進めないようアドバイスしたこともあります。検索の方法については企業秘密ですが、検索ワードによっても収集できる情報が異なってくるため、職人技の職域となります(笑)
いずれにせよ、健康と同じで、病気になってから薬をもらう「事後対処」ではなく、病気にならないように健康管理をする「事前予防」が大切なように、法的な問題も事前予防を意識することで、無用なトラブルに巻き込まれ、費用と手間がかかることを防ぐことができます。
みなさまも大きな取引や初めての方と取引をする際には、念のため信用調査をしてはいかがでしょうか?