今日の適時開示に、ある場所の閉鎖に伴う本店移転に関するお知らせがありました。
ある場所とは、先週6日の土曜日に「83年」の歴史に幕を下ろした築地市場です。今頃、11日の開場に向けて豊洲市場の関係者は大忙しのことと思います。
上記のお知らせにもありますように、豊洲市場の開場と同じ日の10月11日を本店移転日にしている会社は、11日の到来をもって順次、本店移転の登記を行う必要があります。
築地市場は「中央区」が所在だっため、管轄法務局は「東京法務局」、豊洲市場は「江東区」が所在ですので、管轄法務局は「東京法務局墨田出張所」となります。
よって、東京法務局から東京法務局墨田出張所への管轄外本店移転登記が必要となります。
旧所在地の法務局と新所在地の法務局の2カ所の管轄の手続きが必要となるため、管轄内で本店移転する登記より、完了までに時間を要することに注意が必要です。
しかも、一斉に水産関係の会社が手続きをすることになると思いますので・・・。
豊洲市場の移転問題で、関係会社は本店移転に関する事前の手続きでも影響を受けたようです。
管轄外の本店移転となるため、取締役会決議のほか、株主総会決議が必要となるのですが、その株主総会(平成28年)の招集通知にもその変遷が見え隠れしています。
【平成28年株主総会招集通知抜粋】
当初、この会社では平成28年10月31日までに開催される取締役会において決定される本店移転日をもって、この定款変更の効力が発生するように決議がされました。
しかしながら、同時期までに豊洲市場へは移転できなかっため、翌年(平成29年)の定時株主総会では再度下記のとおり議案を上程しています・・・
【平成29年株主総会招集通知抜粋】
上記の変更案を確認すると、平成28年のように具体的な日付ではなく、「豊洲移転が確定された時をもって開催される取締役会において決定する本店移転日をもって効力を生じるものとし・・・」との工夫がされてますね。
ということで、いろいろあった豊洲市場への移転ですが、引越作業に追われ、本店移転登記をお忘れにならないよう、ご注意ください!!